フルーティストとして

そもそもフルーティスト、フルート奏者になるために
何か試験があるわけでもなく、資格もないし規定もない。

本人が「私はフルーティストです」と名乗ってしまえば
その人はフルーティストでありフルート奏者です。

必ずしも音大を出ている必要はなく
コンクール受賞歴がなければいけないというのもなく
留学経験がないと認められないなんていうものもない。

本人の覚悟と行動次第です。

私も音大を卒業した22歳の春からフルーティストを名乗っているわけで
最初はなんの根拠も自信もなく自ら名乗ってましたよ。

最初はそのくらいの勢いが大事なのかなと思いますけど
今となってはそんな自分が愛おしくって
でも何もわかっていなかったよねと思いますね。

演奏家として

一応、音大卒業時に日本フルート協会主催の
『デビューリサイタル』に出演させていただけたので
『デビュー』というものはしています。

ただ、だからと言って演奏の仕事があるわけでもなく
ある日突然電話が来て「演奏してください」なんて言われることもなく
最初の頃はどうしたらいいのかと悩みました。

年に数本、演奏のお仕事はさせてもらってはいたのですが
自分の理想とするものではない。

だから自分で演奏の機会を作ることにしました。

まずは自主リサイタル、というと聞こえはいいのですが
最初は小さなサロンやカフェ、小ホールなどでコンサートを開催しました。

オーボエやクラリネットのお友達と一緒に
ソロやアンサンブル、馴染みのある曲から本格的なクラシックまで
自分達なりに楽しんでもらえるコンサートを企画して開催していました。

また公募のオーディションやコンサートに応募して
演奏の機会を得ることも積極的にしていました。

そんなことを続けていると自然といろんなとこから声が掛かり
「うちで演奏してもらえませんか?」
なんて嬉しいお誘いを受けるようになっていったのです。

音楽家として

『演奏がしたい』その一心で無我夢中になって走り回ってきましたが
そんな中でも音楽に対する考えとか感じ方って変わってくるんですよね。

正直、失敗したなと思う演奏もありますよ。

「なんであんな演奏しちゃったんだろう」
「どうしてタイミングが合わないんだろう」

悩んで冷静に考えられないこともありましたけど
その経験があったからこそ音楽というものの本質がわかってきて
演奏することの真髄に近づいてきているのだと思っています。

悩むよりも行動
練習よりも本番

物事なんでもそうですけど実践でしか得られないものってありますよね。
理論とかそういうのも大事ですけど、行動しないと理論は腑に落ちないし
音楽は作品と演奏者と聴衆のコミュニケーションだから
人前で演奏しないと何もわからないし得られないものです。
(補足として、練習もすっごい大事ですけど)

とにかく行動してきたからこそ
フルーティストになれ、演奏家になれ、音楽家になれるのだと思っています。

あと私の場合ですけど、運も良かったって思います。
いや運しかない音楽家人生なのですが
人に恵まれて、環境にも恵まれたのも運なのですよね。

だからといって運に全てを任せわけではないのですが
まずは自分で行動して、自分で道を切り拓いて
これからも自分の音楽人生を歩んでいきたいと思っています。


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たけしたよしこ裏プロフィール
①吹奏楽編
②音大編
③講師編
④演奏家編